◯地震に強い家を作るポイント!◯
目次
新築だからといって油断できない耐震性
この写真は、2016年に発生した熊本の震災で倒壊した建物の様子です。
2件とも築10年以内の建物で、右側の建物に関しては耐震等級2を取得している建物となります。つまり、一般的には「地震に強い建物」と認識される住まいが倒壊してしまったこととなります。
おそらく、こちらに住まわれていた方も地震に対してはあまり不安を感じていなかったのではないでしょうか。
では、地震に強い建物を見極めるポイントはないのでしょうか。
簡単に見極めるポイントを紹介
地震に強い建物はいくつかのポイントを抑えることである程度の精度を持つことが出来ますので、ご紹介いたします。
耐震等級を確認する
もっとも単純なところでいうと「耐震等級」の確認です。
耐震等級は建物の耐震性を3段階で評価しており、1が建築基準法どおり、3が建築基準法の1.5倍の強さとなっています。
これを見るとなんとなく「等級2でも大丈夫」なような気もしますが、冒頭の写真の通りで築5年程度の等級2取得の建物が崩壊している例もありますので最低でも等級3の取得がおすすめと言えます。
「倒壊・崩壊」しないレベルを前提としていますので、歪んで窓が開かなくなった、という状況が多少起きても基準には合致してしまうのが耐震等級の考え方です。
間取りによっても変化するので注意!
耐震性にこだわりたいんですけど、おたくの建物の耐震性はどうですか?
うちは耐震等級3相当の建物ですので安心ですよ!
実はこんな会話は要注意です!
耐震等級3を取得することができるメーカーや工務店であっても、実際にあなたの住む家がその能力を有するとは限りません。
例えば、南側にやたらと大きい窓があったり、抜群の日当たりを求めて南東の角を丸っと窓にしてしまったりすれば一気に耐震性能は落ちてしまいます。
ティッシュの箱を想像してもらうとわかりやすいかと思いますが、やはり「角」がしっかりとした作りになっているからこそ、形状を保つことができるのです。
耐震等級3の住宅に住みたい場合は「住宅性能表示制度で等級3を取得したい」としっかりと伝えましょう。
「住宅性能表示制度」についてはこちらをご確認ください。
2階建〜の場合は直下率を確認する
「直下率」と言われてもなかなかピンとくる人は少ないと思いますが簡単にいうと1階と2階のバランスがいかどうかです。
単純に1階と2階の柱は一本で出来ている方が安定するのは何と無く想像できると思います。
逆にいうと、例えば1階の広いリビングがあり、その中央にあたる部分に2階の柱が来ているような場合は2階の柱を支える力が弱く1階の天井部分が歪んでしまうこととなります。 このような建物だと、地震がきたときにも捩れが発生しやすいため耐震性を落とす要因となりえます。
単純に、屋根は軽い方が有利
「支点・力点・作用点」は昔習った記憶があると思います。
地震が起きた際、建物の場合は基礎部分が支点となり、高層階に行くにつれて揺れ幅が大きくなっていきます。
このとき、支点からもっとも離れている屋根が重ければ重いほど揺れは強くなり構造躯体にかかる負荷も大きくなります。
主な屋根材で考えると「瓦>スレート>ガルバリウム鋼板」の順に軽くなります。
間取りやその他構造にもよりますが、一般的には瓦屋根をガルバリウム鋼板に変えるだけで3割ほどの耐震性向上が見込めると言われております。
とはいえ、屋根材はメンテナンス性なども重視したい部分ではありますのでどの部材にするかは多角的に考える必要があります。
しっかりと地盤を調査する
耐震性とは少しずれるのですが、地盤調査をした上で必要に応じて地盤改良工事を行うことも大切です。
せっかく安全な建物を建てたとしても地盤沈下により建物に被害が出てしまっては元も子もありません。
必ず実施しましょう。
まとめ